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1闇表→2.海表→3.バク表→4.ガンドラさん の順番です


「自分で勝手にお題っぽくしてるシリーズ」第4弾

1.浦島太郎(闇表)

*闇表だけシリアスなのは何故*ついでに原作に即して同体



もうすぐお別れだ。
全ての出会いには、もれなく別れがセットになっている。

強いて言えば、
自分自身とは別れがないかもしれない。
自分という存在を知って、それを客観的に見ることは出来るから、
まるで別人物みたいだけれど、決して別れることは出来ないもの。

だから、もう一人のボクとの別れは、とても不思議なものだった。

考えれば普通のことだ。
出会い方と接し方が特別だっただけで、別の人物だったんだから。
でも、彼を自分だと思っていたボクにとって、
別れる事がないはずの、ボク自身との別れに等しかった。

そもそも、なぜ別れなければいけないの?
それが使命だから?

『相棒、また考え事か?』
「・・・うん。」

遊戯はぼけっとTVを見ていた。
テレビは昔懐かしい日本昔話という古いアニメを映し出していた。

『相棒とオレは、このアニメにちょっと似てるな。』
「え?ってこれ浦島太郎じゃん。」

いじめられっこのボクを助けてくれたもう一人のボク。

「でもボクはキミを竜宮城へ連れて行ったことはないよ。」
『オレにとって、日常生活は最高に楽しい竜宮城だったぜ?』

楽しい、楽しい時間を過ごして、可愛いお嫁さんを貰って幸せなのに、

『浦島太郎には帰る場所があるんだ。』
「あ・・・。」
『浦島太郎は竜宮城の人間じゃないからな。浦島太郎には彼の日常があるんだ。』

―何故帰られるんですか?―
―陸のみんなが心配しているから、そろそろ帰らないと―

もう一人のボクにも変える場所があって、
心配して待ってる人がいる。

『オレは開けるのさ、玉手箱の蓋をな。その先に何があるのか知っていても。』

箱の中には過ぎ去った時間が入っている。

「キミの玉手箱の中には、何が入ってるの?」
『帰るべき場所を通るための鍵、かもしれないな。
それを開けたら、もう元には戻れない。いや、違うな、

戻るべきものに戻るのさ。

浦島太郎は自分がすごした時間を見に浴びて、ジジイになってしまうが、
それは本当は正しいことだろう?
陸の時間で何十年経ってるんだから、太郎だってジジイになる。
それは自然のことだ。

死んだはずのオレが、冥界へ帰ることもまた、自然なことなんだ。

ついでに、
オレたちの出会いにもまた別れがある、っていうことさ。』
「なんだ、ボクが考えてたことはお見通しだったってわけね。」
『フフ。』

もう一人のボクは笑ってた。
浦島太郎が、泣いたりしなかったのと同じように、
彼にとっては元の場所に帰る、それだけのことなんだろう。

それが、ボクにとってはとても大きなことなんだけれど。
『相棒、そうだ、浦島とオレにはまだ共通点があったぜ?』
「何?」

彼は本当に気がきいて、すごい人だと思う、だって、

『浦島もオレも、竜宮城のことは、絶対に忘れないぜ?
特に、そこで手に入れた相棒のことはな!』

何時だってボクのことを気遣ってくれるんだから。

「ボクも忘れないよ。キミが助けてくれたこと。
あのカメだって、忘れては居ないと思うよ。」
『なんだ、相棒は乙姫じゃないのか?竜宮城で手に入れた俺の嫁。』
「え、ちょ、ちょっとー!!!」

キミとの時間はあと少し。
大切な時間、絶対に忘れない。



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忘れない(´;ω;`)





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