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ユリエス・レイジュディ・フレリタがランダムに出ますv
今回のテーマは「未だ実らぬ恋<ヴェ学>」


---------------------------------------Raven*Judith


他校の教師が、こうも入り浸るのは如何なものかと首を捻る。
「あなた、自分の学校で授業はないの?」
「あ~…その『あなた』っていいね!実にいい!」
「………レイヴン」
じとりと睨め付ければ備え付けのベッドに腰掛けた男がへらりと笑う。
「授業ならあるよ。でも、今テスト期間じゃない?」
「それなら、尚更」
「優秀な部下がいるから、だいじょーぶ」
「問題は大有りだと思うのだけれど」
にこやかに「そう?」と答える男にこれ以上何を言っても無駄だと判断する。
はぁ、と溜め息を吐くと、男はますます笑みを深める。
何だと言うのだ。
「ジュディスちゃん、俺さ」
不治の病なんだ。
今日の天気を言うみたいに何でもないことのように落とされた言葉。
目を見開いて振り返れば、服の上から胸を押さえて笑うばかりの男がいた。
心臓に持病があるのは知っている。だが、不治ではなかったはずだ。
「でも、これは治さなくていいかなーなんて」
「命を捨てるの?」
声が僅かに震える。それは、怒りと絶望。
それなのに、何がおかしいのか男は未だ、笑うのだ。
「違うよ」
「何が、」
穏やかな笑みが、ほんの少し悪戯っ子のような笑みに変化する。
「恋の病は治らなくてもいいでしょ?」




治せない/治さない




/その溜息の意味が、テストの答え。
2011.01.31






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