From -三蔵夢-


電気を消すと辺りは暗闇に包まれた。

今日は久々の個室だ。

今日寝ておかなければ明日から体がもたない。

しん、と妙に静まり返った部屋。

寝床に横になり瞼を閉じようとする。



バタン



部屋のドアが開いた音がした。

そういえば鍵を掛けていなかったかもしれない。

少し体を起こして戸口を見ると人影。

逆光でよく見えないが誰だかはハッキリとわかった。


「なにしている?」

「ねぇ、一緒に寝てもいい?」

上半身だけ起こして目を細めながら戸口を見つめる。

「・・・・いつも三蔵と寝てたからさ、寝れなかったの」

まだ戸口にいるあいつは腕を後ろに組み頼む。

俺はベッドから出て戸口に向かう。

近くまで来ると顔が良く見えた。

俺より大分背が低く上目遣いの女がそこにいた。

眠たそうだ。

その眠たげな瞼に唇を落とす。

そして首筋。

吸い寄せられるように唇に触れる。

「んふ・・・・」

段々激しくなる口付けに膝が折れ、自分では立てなくなったそいつを俺は抱え上げた。

扉を閉める。

今度はちゃんと鍵を掛けて。

明日、八戒や悟浄、悟空が入ってきても誰もこいつの寝顔は見られない。

抱えたまま寝床に戻る。

すっかり冷えてしまったシーツは二人の温もりで少しずつ温まっていった。





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