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#カンルキ









「隊長好きです。俺と付き合ってください!」

今日のルキーノ隊での任務も終わり、定期的に行っている隊長への報告をした後、カンパネッラはもう何度目かになるその台詞を彼の上司であるルキーノ・グレゴレッティーに向けて言い放った。カンパネッラは今まで報告をしていた上司のルキーノと距離をつめる。何度目の告白であろうとカンパネッラにとっては、ひとつひとつの言葉もふざけて言っている訳ではない。いつも本気で真剣にあきらめずにルキーノ隊長に自身の思いを伝えている。執務机に腰をおろして、書類にサインをしていたルキーノはその台詞に「またか」とため息とともに呆れた表情を浮べた。

「断る。」
「どうしてですか?俺がこんなに告白してるのに隊長は一回も振り向いてくれないじゃないですか。一回くらい答えてくれたって良いんじゃないんですか?」
「あのな、お前はどうしてそんなに諦めが悪いんだ?」
「俺が納得できないからです。何度も言ってますよ?」
「くどいぞ。」

ルキーノは眉間に皺を寄せて再びため息をつく。そんな動作すらカンパネッラは、なんでも様になって隊長は本当にかっこいいとしか写らないのだから、もうこの感情は重傷と言って良いだろう。それでも憧れの隊長にこのように冷たくあしらわれてはさすがのカンパネッラでも落ち込むしかない。シュンと傍目もわかるくらい肩を落とした。隊長の視線を感じつつ、それでもあきらめずに何度も告白したら受け入れてくれる時がくるかもしれないと、そこまで拒否されてない現実に励まされ顔を上げる。

「わかりました。じゃあ明日も来ますね。」
「だから俺は受ける気なんてないからな。」
「それでも来ますよ。」

カンパネッラのまた来るという台詞にルキーノは眼を丸くさせこちらを見る。信じられないとでもいうような態度にカンパネッラは少しだけ笑った。

「だってこんな俺をまだ隊長の隊に所属させてくれてるってことは隊長もそこまで迷惑には思ってないってことですよね?だから頑張ります。」
「カンパネッラ・・・」
「じゃあ、俺戻りますね。また明日・・・」
「待て。」

隊長の部屋から出ていこうとカンパネッラは背中を向けた時、ルキーノから呼び止められる。どうしたんだろうと振り向いた時、既に隊長は俺のすぐ近くにいた。

「隊ちょ・・え!?」

隊長の姿を認識した瞬間にグイッとネクタイを引っ張られる。前のめりになったカンパネッラの唇に一瞬暖かいものが触れた。隊長の顔がすぐ近くにある。あまりの出来ごとに今何が起きているのか瞬時にはわからなかった。

「っつ・・・隊長?」

熱が離れる。呆然とした意識の中で、眉間に皺を寄せた隊長の頬が少しだけ紅くそまっているのが今起きたことを認識させた。

「頑張ってる部下に・・・御褒美だ。深く考えるな。」
「つ、それは嬉しいですけど・・・」

なんかもう益々隊長のこと諦めきれなくなって困るじゃないですかとカンパネッラは不機嫌な声で小言を言うと、ルキーノはそんな部下に意地悪く笑みを浮べた。

















あきらめの悪いやつは、嫌いじゃないぜ
(そんなこと言われたら何度も何度もあなたのところに通わなきゃって気になるじゃないですか。)

お題配布元:不遜なかれのセリフお題
確かに恋だった





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