ありがとうございました!




遊びゴコロでついやってしまいました。カオスにも程がある。



※ギアス×メイちゃんの執事(設定はドラマ版準拠)のダブルパロです。
※C.C.が女子高生で、ルルーシュは彼女に仕える執事です。



『Cちゃんの執事』〜とりあえず導入編〜


まだ清涼さを残す朝――登校途中の少女達の視線は、たった二人に集中していた。
「ほら、見て……」
「あれが噂の……」
「『陰』から異例の昇格スピードで『太陽』に上がったっていう……」
「C様よ」
眠気を残す、見ようによっては不遜ともとれる表情の少女と、それに付き従うように控える若い男――まだ少年と言っても差し支えないような――に。遠巻きに彼らを眺めながらも、弾んだ声は止むことがない。
「それに、史上最年少でSランク執事に認定された……」
「ルルーシュ様よぉ!」
 きゃあ、と黄色い歓声の中に、自分の名前を聞いたルルーシュは柔らかな微笑を向ける。すると歓声を通り越して、悲鳴のような声が上がった。
「……相変わらず心にも無い笑顔を安売りする男だな、お前は」
 小声で後ろのルルーシュに呆れるような声をかけるのは、彼の主だ。
「いいだろ、減るものじゃない。円滑な人間関係の第一歩さ」
「ものは言い様だな……」
面白く無さそうに欠伸を噛み殺す少女――C.C.に、ルルーシュは他の少女達に向けるものとは全く別の、底意地の悪い笑顔を返す。
「それとも、妬いたか?」
「ほう、誰に向かってそういう口を利くか」
C.C.も動じることなく、挑むように笑う。
「……覚えておけよ、お前の『契約者』は私だ」
重なる視線は優しくも甘くも無く、ただ剣呑で、それでいて楽しげだ。
「イエス、マイロード」
ルルーシュは、黙って見る分には非の打ち所の無い顔でそう答えた。

究極の全寮制お嬢様学校と言われるこの学園には、他の教育機関と一線を画くシステムが存在する。
生徒である令嬢に専任の執事が付き、彼女達と学園生活を共にするのだ。
生徒の行いによって厳格に階級が分けられるこの学園において、執事の能力が令嬢の進退を左右することもままある。最低ランクの『陰』(オンブラ)から『月』(ルナ)を経て、最高ランクである『太陽』(ソーレ)に昇格することは、執事の助力無くしてはありえない。
C.C.は、その昇格スピードが通常では考えられない速度であったため、また、彼女の執事であるルルーシュは、世界に数人のみが許される最高ランク『S』に到達した最年少執事として、学園中から常に注目される存在であった。
ただし、彼らの奇妙な『契約』を知るものは多くはない。
「ああ眠い。ルルーシュ、一時間目の数学のノートは取っておいてくれ。お前にとっては微積など朝飯前だろう?」
「駄目だ。お嬢様を堕落させることは執事の仕事ではない」
「……まったく、融通が利かないな」
「何とでも言え」
今日も今日とて、食えない二人の会話は続き、お嬢様と執事の一日が始まろうとしていた。



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