テーマは「ありがとう」
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「皆さん!!焼き上がりました!」

小腹の空くこの時間帯に嬉しいこんがりと、甘い香りが漂ってきた。
慌ただしい足音と共に少女が小走りで駆け込んでくる。
両手の平に乗せた皿を運んで。

「ぅっ、あ!?」

という声と共に前にのめり倒れそうになる、
が、彼女の身体は抱き止められた。

「おいおい、1日何回転ぶ気だ?」
「こ、転んでません!
ラックさんのお陰で…」
顔を上げると笑顔の彼と目があった。

「貴女を守るのは私の役目ですからね?」

「あ、りがとうございます…」

しっかり目を見詰められてはそんな風に微笑まれたら胸が高鳴ってしまう…
ついつい惚けてしまっていると、すでに切れているケーキをフォークで一口サイズにして乗せ、口に運んだ。

「とても美味しいです。」

感想を述べた後、片づけは先にしたいんですよね?と私の手を引いてキッチンまで行く。

「いつもありがとうございます」

そっと両手を握られキスを落とされる‥

「私も、いつも助けて頂いて…ありがとうございます」

背伸びした彼女の影と彼のものが再び重なった。



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